フェアリークリスタル

(2008/05/04 Sun)

フェアリークリスタル

第1章 こあいの瀬音3

彼女に初めて遇ったのは僕が高3の夏休み。増水した川で泳いでいた僕は、二つの大きな川が出合う所まで泳ぎ下った時、特大の渦に巻込まれ溺れてしまった。少々の増水なら、スリルを楽しめ危険はない。水の流れは岸で見るよりずっと激しく、抵抗すれば飲み込まれるが、流れに乗って泳ぐ気分は爽快以外のなにものでもない。トムソーヤもできなかった冒険だ。中学生の時から何度も経験している。僕の泳いでいた川は良かった。しかしもう一方がこの時、上流地域の局地的大雨により一時的な洪水の様にまでなっていた。出合いと呼ばれるこの合流地点は異常に水嵩が増していた。水嵩だけなら溺れはしない。ここには普段でも小さな渦ができている。その川の激しい濁流に気がついた時、既にもう僕の身体は大渦に向う強い流れに巻込まれていた。渦に逆い、激しく手足を動かすが、浮くことも下流に下ることもできない。口からそして鼻から多くの水を飲み、めまいと共、次第に意識が薄れていく。「もうだめだ」……もがく腕を誰かが掴み、スーッと川の流れに引き戻す。僕は水中を穏やかに流れている……夢を見ている。泳いでいるのではない。ただ流れている、何故か穏やかに。そして夕暮れの川原の石の上……仰向けに寝ている。
束の間の夢から覚め、もうろうとした意識で目の前に立っている人の顔を見た。そこにはあどけない顔の女の子が水着もなく、裸身のままで立っていた。僕は慌てて身体を起こそうとするのだが。何が起きたか分らない。それに少女のその姿。黙って顔を見つめるだけで目のやり所なく、お礼の言葉を探す余裕などとてもない。
少女はすぐそのまま一言も告げず、こあいの瀬の濁流を泳ぎ流れ消えて行った。ただ、ニコリ笑ったその一瞬……少女の大きな口許が両耳に向い張り裂けた。この日から僕に不思議な能力が備わった、いや加わった。僕は恐怖感を抱きながらも命の恩人を探し、毎日大川に行った。僕にはあの日より超能力がついている。いや、多分あの日よりはっきりと。
――もしかして少女……口裂け女を見たのもまぼろしか。
ぼんやりとそんな思いも出るある日、図書館で一冊の本を目にとめた。中学のころ読んだことのある、Aの短編集にある『河童』だ。少しのイメージは似てなくないが、おぼろに浮かぶその顔は目がくるくると愛らしい。しかしあの恐怖の……口は尖っているではないか。髪は普通のオカッパだった。皿はない。見間違いだったかもしれない。単純に口が大きいというだけのことかもしれない。いくらなんでも耳までは?
数日後、川岸に一人の少女が立っている。あの日より一月が経っている。僕は恐怖心を極度に薄れさせ、静かに少女に近づいた。石を踏みつける音を計っていたのか、離れすぎも寄りすぎもせぬ間隔で、こあいの瀬をじっと見つめる彼女がスッと僕に振向いた。一目見た瞬間、あの日の少女を確信した。
「ありがとう」
僕は言った。それで十分だった。
「はい」
そう答え、彼女はにっこりうなずいた。その口許は……耳まで裂けているわけではない。月一度のデートが始まった。少女の名はケイ。苗字は分らない。最初に挨拶を交わした日、「僕は……」と言いかけたところでケイは茶目っ気な笑顔を造り、右の人差し指を口許に運び、異常に幅広のくちびるに軽く押し当てた。
「知ってます。私はケイよ」
デートとは言えケイは少女。笑わなければ可愛いところもあるのだが。何歳だろう。お互い仲のいい兄妹ほどの思いだけ。実際今はただ会っている時がいくらか楽しいと感じるだけで、その日別れたあとの一月が待ち遠しく思えることもそれほどない。むしろ、かわいい妹も面倒を見るほどに、時々はうっとうしくもなるその思い。中学生の時猛烈な初恋を体験した僕としては、既に恋愛経験者の僕としては、ケイとのことは特別どうもない。ケイは命の恩人、それだけのこと。
――そう言えば面影が似ている?




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セックルドール

かれこれ逆¥生活も三年目だけど、あんな気持ちいい女は初めてだったわw …
from ドールモード at 2010/02/04 14:55

スコスコスコ…

逆チカンプレイを試してたら、前に座ってる乗客に握られてるのバレちゃってたよ…。そこがまた興奮するんだけどもね(笑)
from ドールでセクロース at 2010/02/10 04:10

収入は全て人妻から(笑)

昼間にヒマな人妻の相手して、夕方からパチソコ。夜は飲みに行って精力温存して明日に備える。どう考えても俺って天才だよな(笑)
from 人妻ハンター at 2010/02/12 13:37

女ってすげえよな

主婦がヒマなのはわかるけど、旦那が稼いできた金で逆円してたらマズいだろwそれに旦那が中出ししてくれねえからって、俺にせがむのはもっとマズいだろwww
from Mr.逆円 at 2010/02/20 20:16

ヤリチソ

ヤリまくってたらいつの間にか300万の借金完済っ!でもそのせいでちょっとタマキン縮んだかもしれんwww
from 裏バイト開始 at 2010/03/22 14:51

裏職人

これ始めてまだ2週間だけど、もう二ヶ月分の給料かせいだwwwお前らもさっさとティンコ使ってで稼げばいいのに〜。
from これが裏職か!! at 2010/04/08 14:30

ずりゅずりゅしてた!!

今までゴム付きでしかやったことなかったけど生ってスゲーのな!!
なにあのチン棒に絡み付いてくる感触w
生だったから報酬7マンにアップしてくれたし、おれ丸儲けじゃんねwww
from 宮川次郎太 at 2010/04/24 10:13

生身のおもちゃって言うから…

何するのかなと思ってたんだけど、女が好きな様にやってるだけじゃね〜か(笑)みっちり3回も搾られて疲れたんけど、5時間相手して5万も貰えりゃ〜文句言えないよなw
from 生身のオモチャ at 2010/07/15 02:16


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(2008/01/27 Sun)

フェアリークリスタル

第1章 こあいの瀬音2

――この町は少し違うようだ。
毎年、極端な水不足に悩むこともなく、今年は例年にまし水量が豊富で冷たい。中国山脈の奥地には、真夏の太陽の前兆にひっそり背を向けた雪塊が、今なお北の窪地にまだはっきりその存在感を示している。いつかこの雪が、氷がこの町の守り神になることを、いや既にそうであることを、やはり、知る者はまだいない。
御花畑を思わせる土手は、本来まばゆい陽光と呼ばれるべき光を浴び、五月柄の柔らかなふとんを被せたかのようにふわふわと、緩やかな曲率の川の流れに沿い、やさしくなだらかな凹凸をどこまでも長く伸ばしている。澄みきった水の流れと早苗の田んぼを左右に添えるこの三点セットは、高い空より見下ろせばある種の楽園に違いない。そよ風という名の、都会では決して味わえない、甘いアユの香を含むしなやかな風が吹き渡る。
「今からこの暑さじゃあ、今年の夏もおかしいノー」
「ああ、去年よりゃまだマシみたいじゃが、はあ、こりゃあ異常ちゅうようなもんじゃなあわ」
「今年も田や畑がやれんノー」
「そんでもこの辺はまだええデ。他んとかあ毎年飲み水もやれんらしいケエ」
「あれも、また昨日も二桁トイ」
 町の会話は当っている。この数年は日本各地で43度を記録した日が何度もある。都会では特に激しく、去年東京では46度を突破した日が2度あった。TVでも、ここ数年で更に進んだ地球温暖化は、今年もそして少なくともこの先5、6年、夏に40度を超える気温は普通で、関東以西に冬の季節がない状態は当分続くと言っている。単なる暑さだけではない。数日前も百姓をしている友達が、
「コリョウ見てミィや、雄花ばっかりじゃケエ。実なんかイッソなあ」
雌花がなければ実がつかない。受粉のメカニズムは中学の理科も覚えていないが、
「動物も植物も生態系がみなおかしゅうなっとって気味が悪い」
僕も全く同感だ。桜やつつじ、コスモスなども帰り花の風情ではない。季節を忘れ、まさに狂って咲き捲くる。日本だけでなく、特に先進諸国は慌てて国連で対策を講じているが、あまりにも気付くのが遅すぎた。その効果が期待できるのは10年も先だろう。10年先……地球が、いや地表の人類が、もっていればの話だ。「あれ」とは自殺者……行方不明者の数である。

この川原に来ると、ケイのことを思い出す。心のずっと奥の片隅に閉じ込め、今では思う機会も少ないが、この岸に立てばその姿が瞳の奥にくっきり浮ぶ。
――去年は満月の日を1日過ぎていた……。
トンビが悠然と風を切り、時折篠笛の音のような美声を発し、のんびり楽園の上空を舞っている……と、どうも事情が違ってきた。そのトンビをめがけカラスが猛烈な勢いで迫り、猛然と体当たりをしかけた。喧嘩が始まった。まさに空中乱舞だ。当然にトンビに分があると思ったがカラスも執拗に食い下がる。そこへもう1羽別のカラスが応援に駆けつけた。トンビも今度は真剣になり、壮絶な空中戦が繰広げられる。1羽対2羽ではアンフェーだがそれは人間の考えること。賢いカラスは勝つことだけを考える。
――これは面白い。
子供のころ、苦労し取った大アユを川原に置き、ほんの少しその場所を離れた隙に高い空から急降下し、あっという間に横取りされた僕としては、ここはカラスに応援したい。それは地面に激突するかの猛スピードだった。背後に異常を感じた僕は、振向き様猛烈な勢いでダッシュした。急角度で頭を持ち上げる彼。その瞬間、見事にアユを掴んでいた。翌日、僕は釣り糸の先に針を付け、その針を魚の腹中に忍ばせる。糸のもう片方の端は十字ブロックの鉄筋にくくりつけた。トンビは鉄橋横の電柱に止まり、僕の一挙一動を観察する。
僕はトンビに完全になめられた……と思った時、とても変なことが起きた。僕がトンビの眠そうな目を睨みつけると羽をバタバタさせ、ストンと土手の草むらに落ちたのだ。薄気味悪く、離れてじっと見ていたが死んだかのように動かない。恐る恐るすぐ傍まで近づくと羽がピクッと動き、僕の身体もビクっと振れた。トンビは目を開け、上空低く僕の頭の上で三度周って飛び去った。次の日はアユがものすごく捕れた。
決闘はやがてトンビのほうが逃げ出した。カラスがあとを追いかける。両者のスピードが変わらない。カラスはトンビよりはるかに多くの回数、羽根をばたつかす。ジェット機と小型プロペラ機がずっと並飛行するかのよう。信じがたい光景だ。3羽が空中を大きく迂回し僕のほうへ向かい飛んで来る。僕は土手に下ろしていた腰を上げた。よりによって僕の頭の真上で激しい戦闘が再開された。バタバタと3羽の鳥が空中で乱れ羽ばたく音が凄まじい迫力だ。先ほどの遠くから見る比ではない。人間など全く眼中にない。2メートルばかりの竹竿で一撃すれば、必ず3羽のうちどれかを仕留めるだろう。何が理由か分らないが人間の僕を全く無視し、すぐその頭上で鳥同士が戦をする。これはもしかすると、無視ではなく僕に見せつけているのではないか。カラス同士じゃれるように喧嘩する光景は見なれている。ひどいいじめの光景も見たことがある。これほどに凄まじい、トンビに挑む姿は田舎の空でも例がない。
――これはショーではないのか。
戦いは果てしなく続く。ずっと好奇心で目を皿のようにし見続けている僕だが、だんだん変な気分になってきた。次第に薄気味悪くなってきた。トンビの攻撃を受けた1羽のカラスが、体をガクンと反転させ背中を一瞬地面に着くほどに落下し、その体勢を立て直す時僕と目が合った。まるで怒り狂う死神の目だ。背筋をぞっとした冷気が走ったあと、大きな疑問が沸いてきた。
――何故これほどに人間を無視、いや僕にだけ見せつけるのだ。
日中というのに辺りには、人の影一つ見当らない。これほどに寂しい町ではない。飛び散る無数の羽……羽毛に混じり、小さくない黒い羽がふんわり目の前を舞った。不気味に輝く黒く怪しい艶やかな光を放った。僕は再び、しかし先ほど以上にぞっとしたその一瞬の恐怖の中、思わず顔を上げ「ウワッ」と思いきり大声を出し、激しく一度手をたたいた。喧嘩の仲裁いや競技の邪魔をした。鳥たちは瞬間ひるみ、パッと散る。
僕は土手を町のほうへ向かい坂を急ぎ駆け下りた。僕の声に驚いたトンビがその時、僕をキッと睨みつけたのだ。トンビのこんな鋭い目を見るのは初めてだ。これほどの至近距離でトンビの顔を見るのも初めてだ。死神の目とまた違う、怪鳥に襲われる恐怖感が後頭部を駆けた。
――仕返しか?
しかしトンビは僕に構っている暇はない。最初僕のいた場所から10メートルばかり離れた所で、2羽のカラスがまた執拗に襲いかかった。空中の戦いは突然に終を告げる。直後、5時を告げる町のサイレンが耳元で轟音を発した。毎日聞きなれた音なのに何故か、映画で見た空襲警報の感覚だった。2羽のカラスが去って行く。何事もなかったかのように悠然とねぐらに向かい帰り行く。残ったトンビは何を考える。怒っているのか、あのカラスに、それとも……。もし僕が空を飛んでいたら、トンビは途中でカラスとのショーを止め、僕に猛然と襲いかかってきたのでは。
――何故こんな馬鹿げたことを考えるのだ。
トンビは僕のほうへやって来る気配はない。僕が家の陰から見つめていることにも気付かない。やがて一段と高く舞いあがり、ゆっくりくるり斜め45度に一度大輪の画を描いた。フィナーレを飾るしゃれた演出ではあるが、少し物足りない幕切れだった。のどかにどこまでも青い田舎の空に静寂が戻った。このトンビそしてカラスも、やがて地表の滅亡と深く関わり合うことになる。鳥ほどに先を見通す能力を持たない人間には、単独で身を守るすべはない。ただそのことが幸せか不幸せか、それもまだ誰も何も分らない。今はまだそこまでの深刻さに気付く者は誰もいない。淵に身を沈める狂人たちを除き。突然大空に舞いあがったトンビは尽きることなく高く進み、僕の瞳に残影を置いたまま太陽の中に消失した。僕はまだ狂人になってない。

大川を隔てる対岸の河川敷グランドでゲートボール競技会が繰広げられている。と、その中に僕は父の姿を見た。近くはない距離なのに、審判員になりさっそうと俊敏に動き回る姿が、くっきり目に焼きついた。
――夢か?
頬をつねる……激痛が走った。父は一月前に急死した。二人で晩酌の途中トイレに立ち上がり、数歩よろよろしたところでスッと姿勢を崩しそのまま倒れた。一度だけ、少し意識を取り戻した。僕は父に短く話しかけた。微笑んでいる……僕の言うことが分っているのだ。突然、僕を見つめる父の表情が変わった。何か言おうとしている。くちびるを伝わり端がほんのかすかに震えている。それは母も気がつかないほど微弱でしかも短い時間だった。そのあとすぐ元の微笑に戻り、数分後再び静かに眠った。寝顔も笑ったまま、いい夢でも見ているかのようだ。それはしかし、そのままやがて静か過ぎる眠りへとなっていく。誰にも予測のつかない突然の旅立ちに思えたが、本人には少しばかり、その身支度もあったのか。
僕は夢の中で「これは夢か」とよく迷う。迷ったところで目が覚める。覚めない時は頬をつねり「ああ、やはり」と思ったところで目が覚める。もう一度思いきりつねった。再び激痛が走った。
「おーい」
僕は手を振り大声を出し向う岸を呼んだ。数人が振向き、手を振り応えてくれている。しかし父は全く気がつかない。よく似た別人か。いやそんなことはない。父を見間違えるはずはない。僕はジーパンの裾を捲くり、ひざの上まで引き上げた。それで濡れない深さではない。こあいの瀬に片足を浸けた。
「ダメです」
背後から声がした。
「祥子ちゃん、いや……ケイちゃん……君だったのか」
――ケイに逢えた。
僕は一瞬ひるんだが、気を取り直し、ケイが後ろから再び呼び止める言葉を無視して進んだ。視線の先には父がいる。向う岸はすぐ眼の先だ。捲くり上げたジーパンが完全に水に浸かった。身体が沈んで行く。手を振る人がいる。先ほどとは様子が違う。驚いて慌てた様子で振っている。何か叫んでいる。来るなと言っているのだ。流されるぞとも言っている。冷たく早い流れが腰から胸に迫る。父は背を向けたまま、その人たちのしぐさに振返る素振りも見せない。僕はもう一度大声を出し、父を呼んだ。水が首線を越えた。
僕は病院のベッドにいる。昨日のもう夜、全身ずぶぬれで帰り玄関の戸を開け、倒れ、そのまま再び意識を失った。僕は川に入ったわけを誰にもしゃべらなかった。何も覚えてないと言った。おふくろは信じていないようだったが何故か一言も、尋ねようとはしなかった。
――やっと、ケイに逢えた。
夢ではない。最初祥子ちゃんと見間違えたがケイに間違いない。しかし父は、夢かもしれない。僕には分らない。まだ今の、狂人になりきれない僕には分らない。だがあのケイの顔は?
――ケイは多分、人間ではない。
そう思う、思える僕は、やはりもう狂人か。僕はこの地球上かその近くに、人間と同じぐらいかあるいはそれ以上の高等生物がいると信じている。狂人は普通、狂っているのは周囲の人々と思うらしい。それは間違っていない。僕の脳は巻き方が反対かもしれないが腐ってはいない。腐っているのは、狂いつつあるのはこの社会、そして……狂わせているのはケイ?
来週に続く



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(2008/01/16 Wed)

フェアリークリスタル

第1章 こあいの瀬音1
「満月か。まるでかぐや姫のような物語。それにしてもその日がいつも満月だったこと、今ごろになり気付くとは」
去年の今ごろ、僕は出張で博多にいた。得意先を接待し夜遅くホテルに帰り、部屋の窓を開け空を見上げた。5月半ばにしてはあまりにも暖か過ぎる風の中で、満月の青い光が、僕の身体を一本一本冷たく突き刺しているように思えた。ケイの顔が月の中にフッと浮かび、その瞬間、彼女とのかつての出会いが常に満月の日であったことに、僕はこの時初めて気がついた。日中の厳しい暑さと少なからずの酒で火照っていた身体は急激に冷め、僕は一瞬にして酔いを覚ました。翌朝、清々しい目覚めに突然思いつき、帰途田舎に立ち寄り週末を過ごした。正月以来で半年も経っていないのに、父の酒量が極端に減っているのが気になった。夕方は散歩ともウオ―キングとも明瞭な意識なく、こあいの瀬に沿うこの土手を多分4、5回も往復した。ケイに逢えるかもしれないとのかすかな期待は、しかし淡くしぼんでいった。
それから1年。僕は今また、この瀬の岸辺に立っている。今年3月末退社後すぐユーターン帰郷し既に一月あまりになる。ふるさとのこの川に、今年は白く光るアユの乱舞があまり見られない。この瀬から1キロ上流にある堰堤の小滝のような急スロープを登ろうと、体長の何倍もの高さをジャンプする小さな勇姿も。珍しく雪の多い冬だったから溯上も遅れているのか。それにしても、僕が子供のころは川漁師も大勢居て、毎晩一人数十キロを水揚げていた。今は孵化から稚アユまで養殖し、天然溯上と同量まで放流するが、この時期川中にきらめく銀鱗はそのころの2割に満たない。実際、銀鱗の名に恥じぬその胸から腹は、シルバーから純白に移り輝き、透明な水と水面で屈折する陽の光を浴びコケを食む時、ゴージャスな貴金属のきらめきまでの輝きを放つ。誰もみな、かつての捕り過ぎが原因と、その筋の専門家たちが言う言葉をあきらめ顔で聞き納得している。真相を知る者は誰一人といない。真相を知る地上の人間は。
川岸を渡って行く風は水面の涼しさを忍ばせ頬を撫でる。初夏と呼ぶにも遅いほどの、今日のこの暑さの肌に心地よい。実際、この町を含む少数の地域を除き、夏の訪れは二月早く、梅雨や秋雨の水は少なく、反面降れば常に集中豪雨となり、残暑は晩秋の暦まで続く。数年前まで異常気象と呼ばれた天候が今では定常化し、都市部では人口流出による機能不全化現象が心配され始めている。この異変はいつ収束するのか、学者や専門家たちが毎日夜TVに現れない日はない。しかし誰一人、明確な予想をする者はいない。一様に「今がピークで、数年間横ばいのあとはやがて収束に向かう」と口を揃えるが、単なる希望的観測と、頽廃感に満ちた呟きさえ感じられる。世紀末を唱える、いつの世にも現れる無責任な予言者たちのその数も異常に増えている。この詐欺師たちの言葉が、しかし学者より的を得ていることを、そのことを信じる人はまだ多くはいない。




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チンコ露出

女性にチンコを見られて快感を覚える方必見のサイトです!
from チンコ露出 at 2010/08/06 19:31


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(2008/01/08 Tue)

地球温暖化の終焉

フェアリークリスタル 梗概
収束に向かうと思われていた地球温暖化が急転逆行し、世界各地の気温は異常上昇を続けた。東京でも45℃を記録した年から更に毎年大幅な最高気温更新を続け、人口流出による都市機能不全化現象を呈するまでになった。
高校の夏休み、洪水の川で溺れた僕をケイが助けてくれた。彼女は僕に「地球を救えるのはあなたです」と言った。都会に就職した僕は3人の女性とそれぞれ真面目な恋愛を重ねたが、なぜか最後は3人とも僕の愛に拒否反応を示した。僕は14年間の都会生活に別れを告げ帰郷した。
帰郷後直ぐに父が急死した。その一月後僕はケイと再会し、デートが復活した。ケイは驚くべき言葉を口にした。「地表には人間の数も多すぎる。やがて今の3分の1……」そしてまた「お父様はご自分の意志であなたに会いにこられたのです。私にできることはここまでなのです」
ある日、安蔵寺山の秘境に一人足を踏み入れた僕は、空を一面に覆い尽す鳥たちの集団を見た。やがて鳥たちはこの秘境に降り立ち、その長く深い谷を埋める。
月の裏側を克明に探査した日本の衛星『かぐや』から送られた信号は……。地球の気温が60℃を超える時、人類の運命は果たして……。
ケイにプロポーズした、その返事をもらう約束の1年後、ケイの最後のメッセージが僕の脳裡に届いた。
「もういいでしょ」



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(2007/12/14 Fri)

小説ブログ

都合によりしばらく休止します。→「天使のシンドローム」に続く作品「フェアリークリスタル」を掲載します。前作はヤフーブログでご覧下さい。


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